Home > Archives > 2003年8月 Archive
2003年8月 Archive
旅の果て 第二回
- 2003年8月 1日 00:00
- トドメ氏の小説
この場所の様子を調べるため、またこのまま家にいても退屈だったので、私は外に出た。空気は粘りつくようで、容赦なく陽光が降り注いでいる。陽炎すら見えるほどの、まさに猛暑である。それでも下駄の乾いた音が、いくらかの気休めにはなった。
角をひとつふたつと曲がると、小さな商店街が見えた。八百屋、魚屋など、素朴な町並みが五十メートルほど続いている。そのうちの一軒に人だかりが見えた。思わずそちらの方に歩を向けると、そこはさらに小さな駄菓子屋であった。黒山のほとんどは、私と同じくらいの少年達であった。
店先には懐かしい駄菓子が並んでいた。どれも少年のころ好んで食べたものばかりである。原色でわざとらしい匂いから、
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
- Archives
- Tag Cloud
-
- Feeds